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夏先取り企画 第二回

さて、二夜目のお話もfalloutから。

4話目、鋭意製作中もいまだ話固まらず。

というわけで

第二話「モルモット」

 蒸し暑い夜だった。
 会社からの帰り道、コンビニでビールを二本とつまみの豆腐を買った私は自宅へと足を進めていた。晩酌兼夕食だ。
「A社とのプロジェクトも無事終わったし、明日からは少しマシになるかな」
 つぶやき、空いていた左手で軽くネクタイを緩める。
 社運をかけたプロジェクトのメンバーに抜擢されて以降、まともな時間に帰れたことなど一度もなかった、今日も午前様だ。
 おかげさまでストレスもだいぶ溜まったが、それ以上の達成感が、私の全身を包んでいた。
「いや、いっそのこと一週間ほど休みでも貰うか。俺はそれだけのことはやった」
 そんなことを思いながら歩く。
 住宅街に入った。一本道は暗く、一定の距離を置いて並ぶ街路灯だけが白く光っていた。雨は降っていなかったが、月は分厚い雲が隠している。
 立ち並ぶ家々から漏れる光もわずかだ。この時間なら仕方の無い話だろう。
 そんな時だった。ふとーー私は100mほど先の街路灯の下に立っている男に気付いた。
 遠くから見ても上背は私より大きく、比較的小柄な私と比べて頭一つ分くらい大きい。180cmくらいはありそうだ。
(背広を着ている・・・あの人も仕事終わりかな?だとしたらご苦労様なことだ)
 とはいえ、道端であんなふうに突っ立っているのもおかしな話だ。ひょっとしたら仕事ではなく、酔いすぎて休憩しているのかもしれない。
 まあ、どちらにしろ関わり合いになることはない。
 そう思いながら、私は男の方に向かって歩いていく。
 おや?―――。その時私はあることに気付いた。
 男の頭が街路灯に光って白く見えていたのだが、良く見るとそれは光のせいだけではなかった。金髪だったのである。
 そう思った次の瞬間だった。
 突然男がこちらに向かって近付いてきたのだ。
「―――――――!」
 思わず私は立ちすくんだ。
 男は両手を自分のこめかみの所へ持っていったかと思うと、突然何かを持ったまま両手を前に伸ばした。あれは・・・・・・メガネだ!
「ほーら、こんなだよー!」
 男が言うと同時に、丸メガネに映る男の両方の瞳が巨大化していく。
 間違いない・・・・・・。
「うわああああああああああああ!!!」
 叫んだ。ケント・デリカットだ!
 私は今まで歩いていた方向に向かって、脱兎のごとく走り出した。
「ユタは土地が安くていいんだよー!」
 走り出した私を見て、ケントはメガネを前後させながら私を追いかけた。
「ほーら、こんなだよー!こんなだよー!」
 私が振り向くと、ケントの両目が私のすぐ後ろまで迫っていた。目だけが、だ。
 そうだ、ケントはメガネを動かすことによって、眼球を伸ばすことが出来るのだ。
「私ギルバートじゃないよ!それケント違いだよ!」
 見当違いとかけた定番のギャグを叫びながら、なおもケントは私を追ってくる。
 何故だ?どうして私がこんな目に?
 考えた所でわかるわけがない。とにかく逃げないと―――。
 そう思いながら必死に走った。だが、意外と筋肉質で躍動感のあるケントの肉体は、私に追いつきこそしないが、離されることもなく一定の距離を保っている。
 そして彼の伸びる両目の分だけドンドンその差は縮まっていた。
 助けてくれ、神様仏様・・・・・・。心の中で叫ぶ。
 だがモルモン教徒のケントにそんなものが通用するはずがない。
 何とかしないと、何とかしないと。
 走りながら私は必死に考えをめぐらせる・・・・・・だが、
「あっ―――!」
 しまった、と思ったときは手遅れだった。私は石ころにつまづき転んでしまった。
「ほーら、こんなだよー!こんな・・・・・・!」
 私が転んだのを見たケントは、叫ぶのを中断し、ニヤリと笑った。
 もうダメだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう思った時だった。
 私がアレを見つけたのは。
 これは・・・いけるか・・・わからない。いや、やるしかない。
「さあ、私とユタに行くんだ」
 地獄の底から響くような声でケントがつぶやいた。
 そして私に一歩近付く・・・・・・・・・・・・・・・・・・今だ!
 私は横に飛ぶと、民家の庭先にあったそれをケントに投げつけた!
「ぎゃあああああああああ!!!目が!目が!」
 ケントが叫んだ。思ったとおり、私の投げつけたそれは、2mほどまで伸びたケントの両目の先を綺麗に覆い隠した。
 二つの突起を隠すのにそれは、それ以上ないくらい最適だったのだ。
「あなたひどいよ!私もうユタに帰る!」
 それは断末魔だった。叫ぶと同時に、ケントの姿はまるでそれ自体が蜃気楼に映った幻だったかのように、消えうせたのだ。
「助かった・・・」
 安堵した私は、ケントに投げつけたそれを再び手に戻し、ぎゅっと握り締めた。
 疲れた。まさかこんな目にあうとは・・・。
 だが、終わったんだ。そう、全てが・・・・・・・・・・・・。

「――なるほど、だからお前さんは右手に女性用ブラを持って歩いていたと。そう言いたいんだな」
「その通りです」
 取調室で私は刑事にそう答えた。
「そうか。じゃあお前の部屋にあった136人分のブラは一体何の為にあったの教えてもらえないか」
「ケントのやつ、私の前にそんなに現れてたんですね」
「パンティーも200枚あったが」
「チャック・ウィルソンにはそっちの方が有効でした」

 しかし、裁判の時にも同じように答えたが、私に求刑された懲役2年の実刑は覆ることはなかった。





あ、タイトル「モルモット」じゃなくて「モルモン徒」の間違いでした。
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テーマ : 心霊
ジャンル : サブカル

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